うるま市天願にある森のkokage工房。キャンプコートニーの広大なエリアの横にひっそりと佇む静かな工房です。集落に入る道が少し入り組んでいるからと、主催の新屋さんが大通りまでわざわざ出迎えにきてくれました。
工房に着くと、飛行場のガレージのようなカマボコ型の大きな建物。中に案内していただくと並べられた木材と制作中の家具の間に大きな樫の木の火鉢があり、天井を見上げるとひしゃげたアルミの屋根の間からつる性の植物がするりと垂れている。秘密基地にでもいるような妙な興奮と、落ち着いた木製の家具が並ぶ不思議な光景にしばし心を奪われました。
写真:とても特徴的なベンチ。洞(うろ)をそのままデザインに活かし、不均整なフォルムが逆に自然っぽくて魅力的。カフェのバルコニーとかにあると似合いそうです。
森のkokage工房の新屋さんは、沖縄の木材が今ほど価値を持たない頃、木工を始めました。若い頃、就活中の息抜きでやんばるの森を訪れたときにそのきっかけがあったといいます。
森を伐採したときに、伐り出した丸太を一時保管する土間という場所があるのですが、そこには大層立派な丸太がたくさん並べられていたそうです。山と積まれた丸太があまりに雄大だったため「これは何に使うんですか」と近くの作業員に尋ねたところ、「砕いてチップにするんだよ」と答えたそうです。
そのとき新屋さんが思ったことは「こんな立派な木を使わないなんてもったいない!」でした。「おきなわの木は木材に向いてないからと、安値で売られている。でもこんな立派な木があるじゃないか。これを使って何かもっと価値あるものを作れるんじゃないか?」就活中だった新屋さんの中に、小さな炎がともった瞬間でした。
そこから新屋さんの木工家としての人生がスタートしました。
「始めたころは、沖縄の木の価値なんか安く見られてたからねー。トラックいっぱい積んで数千円くらいだったよ」新屋さんは言います。「木を買い付けにいったら『こんなの何に使うの?』って笑われたこともあったさー。」と語る新屋さん。
一般的に真っ直ぐで角がキレイに取れるものが良質だと言われる木材ですが、それは建築材としてのお話。沖縄の曲がりくねった癖のある木だからこそ、出来ない物がある。その言葉を集約したような一品。
この歪さが実に見事なバランスで美しさを演出しているような気がしませんか。
「人によって好き好きあるとと思うよ。大工やってる人からは評価されないさー」と笑う新屋さん。実は弟が大工さんで、真っ直ぐ、整然とした家具でないとモヤモヤするんだと言われるそう。確かに、寸分の狂い無く計測して組み上げる大工さんからは腑に落ちないところもあるかもしれません。しかしだからこそ、整ったものがあるからこそ、映えるイレギュラーが好きな人もいるわけで、作ってくれる人もいないと困っちゃいますもんね。
森のkokage工房ではオーダー制作で家具注文を承ります。そのほか、作品をご覧になりたい方は、県内各種木工イベントをチェックしてみてくださいね。
事業者名 | |||
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品目 | |||
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径(cm) | 幅(cm) | ||
厚み(cm) | 長さ(cm) | ||
乾燥(含水率) | 量(m3/枚/本) |
木の机を探して出会いました。
信也さんに是非おねがいしたいです。
すみませんお名前が返還ミスでした。
新屋さんに子供用学習机をお願いしたいです。