前回節分のお話で少し暦について話題にしたのですが、ちょっと詳しく調べてみました。
日本で、というよりも沖縄で使われている暦は新暦、旧暦がありますよね。旧暦だとつい先日、2/19日に旧正月を迎えました。糸満市など一部地域では今でも、新暦の正月よりも旧暦の正月を盛大に祝う習慣があります。また、糸満市ほどではないにしろ、伝統的な沖縄の行事は今日でも旧暦を基準としているものが多くありますね。
さて、ではこの新暦旧暦に関して少し紐解いてみましょう。
単純に新暦・旧暦と言っても、厳密に分けると、たくさんの種類があります。それは時代や生活習慣において、暦の使い方に違いがあったからです。人類の営みに合わせて研鑽されていったといってもいいでしょう。そのような理由から暦には、種類や解釈の仕方が様々で、簡単にひとまとめにできるものではありません。現在でも新旧併用でカレンダーがあるのも納得です。
まずは旧暦について簡単に。旧暦=太陰暦として認識されますが、太陰暦は月の周期から暦を読み取ったものです。太陰暦が重用されてきた理由としては、月の満ち欠けでどこにいても何日かわかる、ということが最大の理由だと言われています。太陽の動きから暦を読んだ太陽暦では太陽の角度が重要になりますが、パッと見わかりませんよね。「今日の太陽は30°だなー」とか解ったらもう特殊能力です。
また月の満ち欠けは潮の干満にも影響しますので、漁業に関わる人にはとても重要なものだったといいます。
なるほど、漁師の多い糸満市で旧暦がいかに大事かが分かりますね。
さて、ここでまた少しコロッと話が変わりますが、【二十四節気】というものがございます。あまり耳慣れない言葉かと思いますが、春分、秋分、夏至、冬至、という言葉なら耳にしたことがあるかと思います。大寒や立春もこの節気に含まれます。これは月の運行から読み取った太陰暦では季節とのズレが生じてしまうため、それを補正する指標として、また今で言う月(month)にあたるものとして作られたと言われています。
これは特に農耕・耕作においては気温の変化や雨量を予測することが重要だったため、広まったものだそうです。この二十四節気は太陽の角度を基準としていますので、この時点ですでに旧暦と新暦が混在してきていたと言えるのかもしれません。いずれにせよ、時代や生活様式によって暦というものは形を変えているのが分かるエピソードですね。
但し、節分の項でも触れたように、閏年のように若干のズレが生じるので、同じ太陽の運行を読んだものでも、年ごとに春分の日が少しずつズレる、ということがあるようです。
現在の天文力学が云々…チョト ムズカシ デス
このように漁業などは旧暦を重要視し、農業などは新暦を重要視する(日照時間など)背景があるわけですね。林業も同様で、木の伐採は冬に行うのが最適だと言われています。冬になると日照時間が減少し、生育も休止期に入ります。この時期は木に含まれる水分も少なくなるので、乾燥時に割れや曲がりが小さくなるのだそうです。
さて、ここでまた少し話を戻しますが、旧正月が毎年違う日にあたるのはどういう理屈なんでしょうか。旧正月は以下のように定義されています。
旧暦1月1日は、通常雨水(2月19日ごろ)の直前の朔日であり、1月21日ごろから2月20日ごろまでを毎年移動する。(Wikipediaより)
雨水、というのは二十四節気のひとつ。立春の次の節気にあたります。「あれ?おかしい、二十四節気は太陽の角度から区切られたんじゃなかったっけ?」となります。ここで重要なのが旧暦、つまり月の動きを基に日割りがされているということ。
ここで言う、朔(さく)という言葉は「ついたち」とも読み(漢字変換できます)つまり新月のことを言います。雨水の直前の新月が旧の1月1日にあたるので、月の挙動によって大きくずれるわけですね。
うーん、ややこしい。
まとめると二十四節気は新暦に近いので現在の暦とあまり大きなズレはないが、旧暦と重ねて使っているので、旧暦の○月×日 と言うと最大1ヶ月近くズレる、ということです。新暦に直すと更に大きくズレます。立春で新たな節の始まりとしながらも1月1日ではなく、年の始まりはあくまで月の満ち欠けが基準だというのです。
なるほど、わかったようでわからない。暦の読み方ってこんなに難しい物だったんですね。
これに六曜(大安・仏滅など)も入ってくると更にカオスな状態に…
今日はカレンダーに感謝しなくては