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トピックス ひな壇の一番上の

昨日3/3(火)はひな祭りでしたね。女の子のいるご家庭では、ひな壇を飾ったのでしょうか。

実は昨日、那覇市の開南小学校で県産木使用の木製机をレンタルしているのですが、定期メンテナンスに行って参りました。そのとき、玄関を入ってすぐの広場に大きなひな壇が飾られていて、「そういえばひな祭りだった!」と思い出したわけです。

ひな壇と言えば、最近ではバラエティ番組のタレントの座席順が業界用語的に「ひな壇」と言われていますね。賑やかし役の若手芸人が前列に座って、大御所や容姿端麗なモデルさんなんかが後列に、となんとなく言葉のニュアンスとイメージがうまくかみ合ってるような気がします。そういえばひな祭りの歌にある五人囃子って、楽器を手に場を盛り上げる役目でしたもんね。

ちょっと脱線してしまいましたが、このひな壇。よく見てみますと、一番上に「おだいりさまとおひなさま」がいます。その下に「三人官女」、「五人囃子」さらに下に「右大臣、左大臣?」。更にその後に数人いらっしゃるのですが、恥ずかしながら、というか失礼ながら、役職を存じ上げない…

おじいちゃん3人…?よく考えたらひな祭りの有名な歌にある役職しか知らないなぁと思い、帰ってから調べますとなんとも面白い事実が分かりました。
このおじいちゃん3人は仕丁(しちょう)あるいは衛士(えじ)といい、従者のことで、通常3人1組で飾られているそうです。
いえいえ、面白い事実とはこのことではないのです。
なんと一番上におわしますお二人は「おだいりさまとおひなさま」ではないというんです!

ひな祭りの歌と言えば「あかりをつけましょぼんぼりに~♪」で有名な『たのしいひな祭り』が最も有名ですが、この歌に出てくる「おだいりさまとおひなさま」というのは実は誤用で、『お内裏様』というのは男雛、女雛あわせて一対をあらわす言葉だというのです。なので、「お内裏様」というのはすでに、二人のことを指しています。「お雛様」も同様に男女一対をあらわす言葉であり、意味は同じなんだそうです。つまり『内裏雛』を「お内裏様」と「お雛様」に分けてしまったことで、誤用となってしまったのでしょう。ご夫婦とご夫妻と言ってるような感じでしょうか。

もうひとつ、「赤いお顔の右大臣」も間違いで、まずそもそもあのお二人は大臣ではなく、宮中警備の兵士である随身という役職であり、左右の位置も向かって右側ではなく内裏雛から見て、右か左かを考えなくてはいけないのだそうです。
仮に右大臣を歌うのなら、正面向かって左側にいて、位は五人囃子よりも上の位置、手に持つものは武器ではなく、(しゃく)でないといけないのだそうです。(笏とは昔の偉い人がよく持っているのっぺりとした杖のこと)

この誤用に加え、童謡があまりにも有名になってしまったせいで、作詞家の方も生涯大層気に病んでいたという逸話が残っています。

とはいえ、このひな祭りの歌はやっぱりこれから先も日本人に愛されていくんだと思います。この「誤用」のおかげで大人になった後も「実は…」って語れるのもまたいいもんでよね。

 

追加解説
内裏(だいり)とは天皇の私的区域の事。「お内裏様」とは、殿だけを表すのではなく、雛人形の場合「殿と姫の両方」を表す言い方。

 


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